バスケットボールのファウルについて
みなさんは「ファウル」ってなにがファウルになるか知っていますか?
なんとなくはわかっているけど、なんでファウルになった?とか、今のはファウルじゃないの?とか思った経験があると思います。
今回は、「どうなったらファウルになるのか」を競技規則にそって書いていきます!
そもそもファウルって?
競技規則に書いている通り、「ファウルとは、規則に対する違反のうち、相手チームのプレーヤーとの不当な体の触れ合い及びスポーツマンらしくない行為」のことを指します。
みなさんが初めにイメージするファウルのほとんどが「相手チームのプレーヤーとの不当な体の触れ合い」が該当すると思います。
では、「不当な体の触れ合い」とはどういうことなのか?
不当な体の触れ合い
不当な体の触れ合い(シリンダーの考え方)
バスケットボールのプレイヤーにはコート上でそれぞれが占めている空間が存在しています。
これを「シリンダー」と言います。
シリンダーの範囲は上の図の通りで文字で表すと次の通りになります。
◯ディフェンスプレイヤー と ボールを持っていないオフェンスプレイヤー
・正面は手のひらの位置まで
・背面はお尻の位置まで
・側面は腕と脚の外側の位置まで
◯ボールを持っているオフェンスのプレイヤー
・正面は両足、曲げられた膝、腰より上でボールを持っている腕の位置まで
・背面はお尻の位置まで
・側面は肘と脚の外側の位置まで
これが、プレイヤーに与えられたコート上で占めることができる空間です。
また、このシリンダーには真上に両手を上げてジャンプした時の空間も含まれます。
プレイヤーはコート上のどの位置でも、相手プレーヤーが占めていなければ、シリンダー内でその位置を占めることができます。
相手プレーヤーと接触した時、このシリンダーを超えていた方が「接触の責任」があり、不当な体の触れ合いを起こしたことになります。
リーガルガーディングポジション
ディフェンスのプレーヤーには、一定の条件を満たしている間、相手プレーヤーに接触しても必ず接触の責任が発生しない状態があります。
これを「リーガルガーディングポジション」と言います。
・相手チームのプレーヤーに正対する
・両足をフロアにつける
以上2つの条件を満たしているとき、リーガルガーディングポジションを占めていることになります。
ただし、これはシリンダー内での話ですので、シリンダーから外れて接触を起こした場合は、条件を満たしていたとしても接触の責任が発生します。
ファウルの成立
ここまで読んでいると「シリンダーから外れて接触するとファウルになるのか。」ってなると思います。
確かに間違ってはいないのですが、実はファウルが成立するには3つの条件があります。
接触の事実
まず1つ目が「接触の事実」です。
これはすごくわかりやすくてプレーヤー同士の接触があったかどうかです。
当たり前ですが、接触がないのにファウルには絶対になりません。
接触の責任
次に「接触の責任」です。
接触の事実を確認した上で、どちらに責任があって接触が起こったかを考えます。
これは先程説明した「シリンダーから外れて接触した」とか「リーガルガーディングポジションを取れていなかった」などがこれにあたります。
接触の影響
そして最後に「接触の影響」です。
接触の事実を確認し、責任の所在を決めた上で、その接触による影響があったかを考えます。
ここで重要になるのが「何に影響があったか」を考える必要があります。
この「何に」のところには次の4つが入ります。
・R(リズム)
・S(スピード)
・B(バランス)
・Q(クイックネス)
以上の4つのうち、どれか1つでも当てはまれば接触の影響があると判断します。
審判をしていてファウルの判断をする時に、この影響を考えるのが一番むずかしいです。
「接触の事実」と「接触の責任」はどんなプレーヤーだとしても判断する基準は変わりませんが、「接触の影響」は他の2つの条件と違いプレーヤーそれぞれによって能力や体の強さなどが異なるために、どれだけどんな影響があったかをプレーヤーごとに考えないといけません。
「接触の事実」「接触の責任」「接触の影響」この3つが揃ったときに初めてファウルとして成立します。
審判はプレーヤー同士の接触がある度にこの3つの観点から見て判断します。
終わりに
ファウルの成立には「接触の事実」「接触の責任」「接触の影響」この3つの観点が必ず伴います。
「ファウルじゃないの?」と思うような接触があっても審判がファウルと判定していなかった場合、この3つのうちどれかが足りていないことになります。
この記事を読んだみなさんもこの3つの観点に注目してバスケを見てみてください。見える景色が変わったりしますよ!
今回説明したのは「何がファウルになるか。」でしたが、3つの観点を満たして成立したファウルが「何に該当するか。」というのを、また今度書いていこうと思います!
それでは!